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●新築の一戸建てを購入して引き渡しを受けましたが,後から床の傾きなどの不具合が出てきました。どうすればいいですか?
売主に対して,契約不適合責任に基づき,修理(追完)や代金の減額,損害賠償,状況によっては契約の解除を求めることができます。
また,施工した工務店や設計・監理をした建築士に対して,不法行為による損害賠償請求も考えられます。 -
●一戸建ての注文住宅について,柱が指定より細かったので代金の支払いを拒んでいたら,工務店に訴えられてしまいました。どうすればいいですか?
柱が契約で定めた太さより細い場合は,「契約不適合」として扱われる可能性があります。その場合,注文者は工務店に対して補修や損害賠償,代金の減額,状況によっては契約の解除を求めることができます。
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●1年前に買った新築の建売住宅に不具合がありましたが,業者が対応してくれません。具体的にどうすればいいですか?
まずは弁護士や建築士に相談し,簡単な調査をしてもらいましょう。重大な不具合なら報告書を作成し,交渉や調停を検討します。調停で解決できなければ,訴訟も視野に入れ対応することになります。
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●住宅や建築の問題を解決するには,どんな手続がありますか?
弁護士を通じた任意交渉のほか,裁判所の調停や弁護士会,住宅紛争審査会によるあっせん・仲裁があります。なお,住宅紛争審査会によるあっせん・仲裁は,新築で評価書や保険がある住宅に限られます。
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●住宅の新築やリフォームを「注文」した場合,どのような契約になりますか?
請負契約にあたります。
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●住宅を「購入」した場合,どのような契約になりますか?
売買契約にあたります。新築でも中古でも,マンションも同様です。
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●請負契約で契約不適合があった場合,どのような請求ができますか?
①追完請求,②損害賠償請求,③契約解除の3つが可能です。
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●追完請求とは何ですか?
契約通りに仕上げるよう求めるもので,補修を請求することです。
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●損害賠償請求では,どのような費用を請求できますか?
補修のために別の業者に依頼した費用や,仮住まいの家賃などが含まれます。
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●契約解除はどのような場合に可能ですか?
補修を求めても応じてもらえない場合や,明確に拒否された場合などです。
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●売買契約で契約不適合があった場合も,請負契約と同じ請求ができますか?
はい。改正民法により,売買契約でも追完請求や損害賠償請求などが可能になりました。
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●欠陥住宅とはなんですか?
欠陥住宅とは,生命・身体・健康に対する安全性を欠いた住宅のことです。建築基準法などに違反していたり,形式的に違反していなくても,実質的に危険な住宅も含まれます。
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●建設業者が倒産した場合でも,損害賠償は請求できますか?
請求は可能ですが,法的整理では裁判所の手続に従い,配当という形になります。私的整理では個別に請求できますが,いずれも全額回収は難しいのが一般的です。ただし,住宅瑕疵保険や保証金により,一部の補償を受けられる可能性があります。