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●実家に帰ると,屋根の瓦替えや床下改修工事が完了していました。2年前に別の業者にリフォームをしていたため納得できません。母によると,訪問業者が割引価格で提案し契約したそうですが,契約書には「リフォーム工事一式」としか記載がありません。工事代金の返金は可能でしょうか?
特定商取引法では,契約書に必要な記載が欠けている場合,クーリング・オフの期間制限は適用されません。よって,工事完了後でもクーリング・オフができ,代金返金を求めることが可能です。なお,原状回復の義務は基本的にありません。ただし,契約内容や使用状況によっては「権利の濫用」と判断され,返金が認められない場合もあります。
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●自宅リフォームの契約をしましたが,契約内容が不明確で割高と判明しました。契約後3日以内にクーリング・オフを申し出たところ,業者から「自分で訪問を依頼したから適用外」と断られましたが,クーリング・オフできないのでしょうか?
業者側が訪問を申し出て,それを了承しただけであれば,クーリング・オフの適用除外には当たらず,行使可能と考えられます。
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●訪問業者からマイホームの壁の塗装劣化を指摘され,不安になって再塗装の工事を契約しました。代金はまだ支払っていません。契約書には,工事前の解約で代金の10%の違約金があると記載され,足場も設置済みですが,クーリング・オフできますか?
訪問販売による契約で,法定書面を受け取ってから8日以内であれば,クーリング・オフは可能です。たとえ業者が作業に着手していても,期間内なら契約解除できます。
また,クーリング・オフした場合,違約金の支払義務はなく,足場などの原状回復費用も業者が負担します。 -
●訪問販売でソーラーパネルの営業を受け,「補助金がある」と説明され契約したものの,調べると補助金制度は終了していました。すでにパネルが搬入されています。契約を解約できますか?
訪問販売による契約であれば,クーリング・オフ制度が適用される可能性があります。
また,補助金の有無について誤解させる説明があった場合には,詐欺にあたる可能性があり,その場合は契約の取り消しが認められる可能性もあります。 -
●高齢の父がリフォーム工事を業者に依頼し,通帳から計数百万円が引き出されていることが判明しました。父によると広告を見てリフォーム会社に連絡し,複数回にわたり屋根や外壁などの工事をしたようです。業者に言われるまま工事を重ね,騙されているのではないでしょうか?
本当にリフォームを必要としていたのか,業者に連絡した経緯を確認する必要があると考えられます。そのうえで,契約書を見てクーリング・オフの適用可否や,過量販売を理由とした契約解除の可能性を検討すべきでしょう。
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●自宅をリフォームすることにしましたが,提示された契約書の内容が適正かどうか判断できません。リフォーム契約にかかわる標準的な契約書はありますか?
リフォーム工事については,住宅リフォーム推進協議会が作成した標準注文書や,日本弁護士連合会の契約約款があります。また,国土交通省の建設工事標準請負契約約款(乙約款)もあり,これらが参考になります。
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●当社は施主から500万円で内装リフォーム工事を請け負いましたが,A社に施工を任せ,資材のみを当社が支給し,また,技術者の派遣や清掃対応を当社で行いました。しかし,施主から工事を丸投げしており契約違反のため,契約を解除すると言われました。契約書には,施主の書面による承諾なしに工事の全部または大部分を一括して他に請け負わせることはできないと定められていますが,これは契約違反に当たるのでしょうか。
発注者の書面による承諾なしに工事を一括で下請に出すことは原則禁止されています。一括下請負かどうかは,元請が工事に実質的に関与しているかで判断されます。資材の支給や現場に技術者を置くだけでは関与とはいえず,禁止規定に違反する可能性が高いので注意が必要です。
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●訪問業者に床下換気扇10台が必要だと言われ契約しましたが,知人の建築士からは3台で十分と言われました。契約を解消したいのですが,可能でしょうか。
業者が3台で足りることを知りながら,それを知らせずに10台を勧めた場合は,特定商取引法により契約を取り消せます。また,契約書を受け取ってから8日以内であれば,クーリング・オフも可能です。