破産・民事再生等に関する分野

破産・民事再生等に関する分野

momiji-icon01.png 破産・個人再生についてmomiji-icon2.png

 当事務所のホームページをご覧いただきありがとうございます。当事務所は設立して10年以上にわたって,借金の問題に関して,解決してまいりました。

 当事務所では破産申立てのみならず,裁判所から打診され,破産管財の事務についても担当させていただき,また,民事再生申立てについて多数の経験を蓄積しております。

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 手続の選択次第によって,ご自宅が残せたのにこれを失うという事態も生じかねません。

 知識の研鑽スピード感ある事件の処理を心掛けております。

 何卒宜しくお願い申し上げます。


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保証契約

※ 回答の詳細は質問をクリック(ないしタップ)ください。

「1」 保証契約とは何ですか?

保証契約とは,債務者が債務の支払をしない場合に,これに代わって支払をする義務を負う約束をする契約をいいます。大きく特定債務保証と根保証がありますが,前者は連帯保証という形態が多く,後者は包括的な根保証は許されず,極度額や保証期間により制限されることになります。

「2」 連帯保証契約とは何ですか?

一般の保証と異なり,連帯保証契約は催告の抗弁権・検索の抗弁権・分別の利益がないとされています。「催告の抗弁権」とは,いきなり保証人に請求をしてきた場合に,まずは主債務者に請求することを求める権利です。「検索の抗弁権」とは,主債務者の返済能力がゆえに,主債務者からの返済を求め,あるいは,主債務者の財産の差し押さえなどを求める権利です。『分別の利益』とは,例えば保証人が複数いた場合,保証人の人数で按分した金額だけを負担することです。実務での保証の多くはこの連帯保証と言って過言でないでしょう。

「3」 政府系の奨学金の債務において,私は単純保証人になっています(連帯保証人は別の人がなっています)。債務者,連帯保証人が返済できない場合,単純保証人の私は残債残部を返済しなければならないのでしょうか。

全部を返済する必要がない余地があります。昨今の裁判例(令和3年5月13日)によれば,単純保証人たる者には分別の利益がありますので,残債のうちの1/2は連帯保証人との関係で債権者との関係で負担をする必要がないとされました。但し,ここでの裁判例は現在,高等裁判所にて係争中ですのでその動向は重要です。

「4」 保証に関して,この度の平成29年の改正により,旧法から内容が変わったと聞きましたが,概ねどのように変更されましたか。実際,それが施行されるのはいつからですか。

特に重要なこととしては,一定の場合に公証人の保証意思確認手続きを要件としていることや,根保証の見直しに関するものとなどが挙げられます。
実際,保証契約が人間関係の情誼に基づいて安易になされ経済的窮地に陥ることが少なくないことから法律が強行的に介入することが盛り込まれていると言っていいでしょう。
令和2年4月1日から施行ですが,下記に述べる公正証書の作成義務との関係では同年3月1日から公正証書作成の嘱託が可能であるとされています。

「5」 根保証とは何ですか?

債権者と債務者との間で種々の取引から生ずる不特定多数の債務を将来に亘って保証するというものです。個人の根保証の場合には極度額を書面で定める必要があり,また極度額とは,保証しなければいけない上限額のことです。

「6」 いわゆる身元保証契約についても,個人根保証の極度額にかかわる規制があるのですか?

かつて貸金等にかかわる根保証契約の範囲で規制が及んでいたものですが,この度の平成29年の改正により,これにかかわらず個人根保証契約一般に規制を拡大し,ここでの身元保証契約についても規制の対象となりうるものとされています。ただし,身元保証契約が保証契約の性質を有しない場合にはこの限りではありません。

「7」 賃貸借契約に基づく債務を保証する契約についてはどうですか?

同様に極度額を定めなければなりません。

「8」 どのような事由で根保証の内容が確定するのですか?

①保証人の財産に強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき(ただし,強制執行又は担保権実行の手続きが開始されたときに限る。)
②保証人が破産手続開始決定を受けたとき
③主たる債務者又は保証人が死亡したとき
これに加えて,貸金等根保証債務の場合,以下の事由が生じた場合も確定するものとされています。
④主債務者の財産に強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき(ただし,強制執行又は担保権実行の手続きが開始されたときに限る。)
⑤主債務者が破産手続開始決定を受けたとき

「9」 上記の確定事由を当事者の合意で確定しないものとすることはできますか?

できません。そもそも確定の趣旨が保証人の保護というところに法が強行的に介入していることによるものと言えます。

「10」 保証における公正証書作成義務とは何ですか?

事業のために負担した貸金等について個人が保証をする場合,保証契約が有効となる条件として原則として,公正証書により保証人となる意思の明確化が求められます。

「11」 公正証書作成義務の例外について教えてください。

奨学金の返済債務,居住用の住宅ローンなどは事業性がないので公正証書を作成する必要はありません。また,事業性があっても貸金等債務以外には適用されません。貸金等とは,金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務を言います。
なお,貸金等債務であっても,主債務者が法人である場合の理事,取締役,執行役,総株主の議決権の過半数を有する者等や,主債務者が個人である場合の共同事業者又は主債務者が行う事業に現に従事している主債務者の配偶者といった,主債務者の債務について十分理解できると解される者が保証人になる場合,公正証書の作成は不要です。

「12」 公正証書作成義務の例外として裁判上の和解であれば許されますか?

一見,実務的に許容されそうではありますが,法の趣旨からして許されません。尚,個人である第三者が参加した民事調停においても同様です。

「13」 保証契約に関する改正について新法改正前の保証契約については適用があるのですか?

改正前の保証契約については適用がありませんが,新法施行日以降,当該保証契約が更新された場合のその更新後の保証契約には適用があるというべきです。

※ お気軽にご連絡ください。

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破産申立

※ 回答の詳細は質問をクリック(ないしタップ)ください。

「1」 破産申立とは何ですか?

債務超過などの事情によって債務の返済が困難になった会社,または個人の財産を裁判所が換価し,これを全債権者に平等に配当して清算し,債務者の生活の再建を図ることを目的とする手続です。
破産の申立は,債権者あるいは債務者自身も取ることができます。債権者が破産手続開始の申立てをすることを債権者破産申立と呼びます。債務者自身が破産手続を申し立てることを,債務者が会社の場合は法人破産,個人の場合は自己破産と呼びます。

「2」 自己破産するにあたっての条件はありますか?

当然のことながら,債務が支払不能の状態にあることです。債務すべてを返済できるだけの財産を持っている場合や,生活費等を除いても返済に充てるだけの十分な収入があるような場合には,裁判所に破産を認められない可能性があります。

「3」 破産申立ではすべての財産が換価されるのですか?

全ての財産が処分されるわけではありません。債務者の生活の再建のために最低限必要となる財産は処分しなくてもよいとされており,これを「自由財産」といいます。

「4」 勤務先に知られないようにして自己破産をすることができますか?

破産手続開始決定や免責許可決定が出ると官報に掲載されますが,一般の人や通常の会社が官報をチェックしていることは稀ですから,官報への記載によって勤務先に知られる可能性は少ないものと考えられます。
但し,裁判所へ提出する書類には,退職金見込額証明書や退職金支給規程の写しなど勤務先から入手しなければならないものがあることに注意が必要です。

「5」 自由財産には何がありますか?

法律で定められている本来的自由財産には,主に99万円以下の現金があります。ただしこれら以外の財産でも,破産者個人の事情により,生活の再建に必須であると解される財産については,「自由財産拡張」と呼ばれる手続を別途申立てることで,裁判所から自由財産として認められる可能性があります。

「6」 給与が差し押さえられています。止めることができますか?

破産手続開始の決定があった場合,管財事件の場合には差押の効力が失われ,同廃事件の場合には差押の手続が中止となるので,止めることができます。

「7」 自由財産が拡張される具体例を教えてください。

自由財産の拡張とは,本来的自由財産に属さないものですが,それが認められるか否かについては,拡張適格財産の審査と99万円枠の審査という2つの側面からの検討がされます。
まず,前者については①預貯金,②保険解約返戻金,③自動車,④退職金債権などが原則として99万円以下の範囲で拡張されることが広く認められていますが,後者についてつまり99万円を超える範囲での拡張については厳格に破産者の生活にとっての不可欠性が検証されその肯否が判断されることになっています。

「8」 法人の破産にも自由財産のような制度がありますか?

ありません。原則,法人の財産は全て破産財団に属することになります。

「9」 法人の破産の場合,特に費用がかかると聞きました。私は法人の債務につき連帯保証しているのですが,私個人だけ破産することができますか?

代表者個人のみ破産申立てをすることも可能ですが,できる限り法人についても整理を行うことが求められ,多くの裁判所では,法人の破産申立を行うよう要請されることも少なくないでしょう。

「10」 財産換価によっても支払いきれない債務はどうなりますか?

破産者の財産を処分しても支払いきれない債務については,裁判所が債務の支払義務を免除してよいかどうかを判断するための,「免責手続」という手続をすることになります。通常,この免責手続と破産手続は並行して進行していきます。なお,免責の手続きは個人に対するものであり,法人に対してはこの種の手続きは存在しません。

「11」 自己破産の流れを教えてください。

管轄の地方裁判所に対し,所定の申立書類を持参または郵送し,破産手続開始の申立てと免責許可の申立てを行います。申立書を受理した裁判所は,要件を充たしていると判断すれば,破産手続開始の決定をします。破産手続には,「破産管財事件」と「同時廃止事件」があり,どちらの手続を取るか裁判所が判断します。
破産管財事件...破産手続開始の決定と同時に選任された破産管財人が,財産の調査や換価,債権調査,免責調査,その他清算処理を行います。
同時廃止事件...破産手続開始と同時に破産手続は廃止になります。
個人の場合,上記のいずれかの手続を進め,最終的に免責を認めるかどうかを裁判所が判断するための免責審尋へ出頭します。免責審尋後,裁判所によって免責許可(または不許可)の決定が出ます。

「12」 自己破産を申立てした後も,自動車を持ち続けることができますか?

ローンが残っている所有権留保付の自動車の場合,対抗要件(自動車は登録,軽自動車は引渡)を具備している債権者から返還を求められると,それを拒絶することは困難です。
ローンを完済した自動車の場合,高価値の車は破産財団として換価処分されますが,初年度登録から長期経過した自動車など評価額の低い車は換価処分されることなく,持ち続けることができる可能性があります。

「13」 自己破産をしたら退職金はどのようになりますか?

破産手続開始決定の時点において仮に退職したら支給されるであろう退職金見込額の8分の1が破産財団に組み入られますが,自由財産拡張によって,預貯金,保険解約返戻金などとあわせて99万円の範囲内で自由財産として認められるのが通常です。

「14」 住宅ローンが付されたマンションは破産者自身の手元におけますか?

住宅ローンのほとんどにマンションについて抵当権が設定されていますので破産により抵当権が実行をされたりすることでその所有権を失うことになります。但し,個人再生手続きにつき選択できる場合には確保することができます。
※ 「個人再生」の「22」を参照ください。

「15」 現在,居住用に賃貸しているアパートの契約は解除されてしまうのですか?

家賃を滞納している場合,それが原因として契約解除を求められることはありますが,多くは自己破産をすること自体で契約が解除されることはありません。

「16」 自己破産を検討しているのですが,弁護士に依頼をして破産するには弁護報酬以外にも費用がかかると聞きました。どのような費用なのでしょうか。

上記のとおり,破産の手続きの種類には大きく分けて「破産管財事件」と「同時廃止事件」の2つがあり,いずれの手続きに振り分けられるかにより大きく異なります。
まず,同時廃止事件となると申立手数料,予納郵券,官報公告費用で一般的には1万数千円程度で,他方,管財事件となると,申立手数料,予納郵券,官報公告費用の他,管財人に支払われる引継予納金で引継予納金は事件の内容によって異なるので一概には言えませんが,数十万円となるもので高額なものとなります。尚,簡易なものであればあるほど低額になる傾向があります。

「17」 司法書士にも破産の申立てを依頼することができそうなことがインターネットでもみかけるのですが,弁護士に依頼するものと何が違うのですか?

司法書士は申立書類の作成をすることができますが,代理人ではないので審尋等への立ち合いをすることができません。他方,弁護士は本人の代理人なので審尋等への立ち合い等,一切の破産手続きをすることができます。

「18」 すべての債務が免責されますか?

いいえ。税金や国民健康保険料などの租税,罰金など刑事事件にかかわる債務など,免責されない債務も存在します。これらを「非免責債務」といいます。

「19」 特定の債務を除いて破産することは可能ですか?

いいえ。非免責債務以外の債務については,すべての債務を裁判所へ申立て,破産手続をする必要があります。仮に,故意に破産手続き前の特定の債務を外し,その債権者へ債務弁済を続けた場合は「偏頗(へんぱ)弁済」という状態となり,免責が認められなくなることがあります。

「20」 免責となるための判断基準は何ですか?

原則として,破産法252条1項各号に定められている免責不許可事由にあたらないかどうかを判断します。
財産を隠匿する,財産を無償(または不当に安い金額)で譲渡する,クレジットで購入した物品を不当に安い金額で換金する,一部の債権者にだけ返済をする(偏頗弁済),浪費やギャンブルによって借金を増やした,過去7年の間に免責許可を受けた,などの事由があると,免責が不許可になってしまうとされています。
ただし,免責不許可事由がある場合でも,事情によっては,裁判所の裁量によって免責が許可されることもあります。

「21」 破産手続で裁判所へ申し立てることを忘れてしまった債務があった場合はどうなりますか?

免責前の手続中であれば判明した段階で裁判所へ報告します。仮に免責決定がなされた後に債権者名簿に記載されていないことが判明した場合,その債務の支払義務は免除されない危険性がありますが,債務者の破産を債権者が知っていた,あるいは,不記載の記載についての過失が小さい場合には免責されることがあります。

「22」 債権者に訴訟を提起されていますが,破産申立できますか?

はい。債権者から訴訟を提起されている,強制執行をされているといった場合でも,破産申立をすることは可能です。
また,破産手続開始決定時に係属する強制執行についてはその効力を停止失効することになりますが,破産管財人の判断により続行されることもあります。なお,抵当権など別除権などに基づくものなどはその効力に影響がありません。

「23」 これから破産をしようと考えていますが,自ら原告となって裁判係属中です。破産が開始された場合にこの裁判はどのようになりますか?

人格権や身分上の権利に関する訴訟など,破産財団に関しない訴訟については,破産者自身が訴訟を追行します。
他方,金銭債権の請求訴訟など破産財団に関する訴訟については,破産手続開始決定により中断します。その後,管財人が訴訟を受継するか,あるいは,破産手続開始前に相当程度訴訟が進行していた場合には,従前の訴訟代理人が訴訟を引続き追行することもあります。

「24」 これから破産をしようと考えていますが,最近,離婚に伴い不動産を財産分与として渡しました。問題はありますか?

不相当に過大であり,財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り,詐害行為とはなりませんが,右特段の事情がある場合には,不相当に過大な部分について,その限度において詐害行為として取り消される可能性があります。

「25」 離婚のときに取決めをした養育費,慰謝料を滞納しています。自己破産をすることによって,支払いを免れることができますか?

養育費は,滞納分も将来発生分も,支払義務を免れることはできません。
慰謝料については,「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」「故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」でなければ免責され,支払義務を免れることができます。

「26」 破産手続中であった親が死亡しました。息子である私としては,どのように対処すればいいですか?

申立後,開始決定前に死亡したとき,相続債権者や相続人等の申立てにより,裁判所は破産手続続行の決定をすることができますが,続行されなければ,破産手続は終了します。
他方,破産手続開始決定の決定後に死亡したときは,当然に破産手続が続行されます。
このように,死亡した後も破産手続が続行することが多いですが,免責手続は続行することなく終了します。よって,相続人としては,相続放棄の申述をする必要があります。

「27」 破産した場合のデメリットを教えてください。

・官報に掲載される。
・破産手続中,警備員や宅建士など一定の職業につくことができない。
・ブラックリストに登録されローンを組むことが非常に難しくなる。
などがあります。
しかし,
・戸籍に掲載される・選挙権を喪失する・携帯電話などが解除される等などは都市伝説であり,そのようなデメリットはありません。

※ お気軽にご連絡ください。

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任意整理

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「1」 任意整理とはなんですか?

債務整理のうち,裁判所を通さず,支払能力を超える債務(借金)を負っている債務者について支払能力に応じた返済計画を立て,債権者(お金を貸している側)と交渉して債務額全体を減らしたり,分割の支払の取り決めをすることなど交渉することを言います。
あくまで感覚としてですが,いわゆる過払金ブームの時期には債務の元金を減少させたりすることも度々ありましたが,現在,元金を減らすことに応じてもらうこと自体は難しいとの印象です。なお,債務整理には任意整理のほかに特定調停,個人再生,自己破産等の手続きがあり,これらはいずれも裁判所を通して行う手続となります。

「2」 周りに知られずに任意整理をすることは可能でしょうか?

任意整理は裁判所を通さずに行います。個人再生,または自己破産のように官報(国が発行している機関紙)に掲載されることはありませんので,その意味でも,周囲に知られるリスクは小さいと言えるでしょう。

「3」 任意整理を利用できる債務は?

当然と言えば当然なのですが,任意整理手続きで元金を減額できる可能性が高いのは,利息制限法で定められた利率より高い利息の債務です。ショッピングや車のクレジット,住宅ローン等,利息制限法より低い金利の債務は減額できない場合が多いことは前記の通りで,減額を求めるのであれば,当初から個人再生等別の手続を行うことが望ましいです。

「4」 任意整理をするための条件はありますか?

原則として,安定した収入があることが必要です。また,収入から,必要生活費を差し引いた金額(可処分所得)の中で返済を行っていくため,この可処分所得を充分に確保できることが好ましいです。

「5」 契約書をなくしてしまっているのですが,任意整理できますか?

はい。昔の契約書をとっていない場合でも,債権者から契約書等の資料を取り寄せることによって,任意整理を進めることは可能です。

「6」 保証人がついているのですが,任意整理できますか?

はい。保証人がついていても任意整理が可能です。ただし,主たる債務者(借主)が任意整理をすると保証人に請求がいくことになります。その場合保証人も任意整理が可能です。
また,経営者の保証債務の問題については,「経営者保証に関するガイドライン」が定められており,こちらを活用することも検討されるべきでしょう。

「7」 経営者保証に関するガイドラインとは何ですか?

経営者保証に関するガイドラインとは金融機関団体・中小機関団体共通の自主的なルールであり,あくまで強制力はありません。しかし,これをもとに協議を重ねることでガイドラインに沿った解決を図ることも可能とされています。
ガイドラインの要点は、以下の3つです。①経営者保証の解除,②債務返済の際の生活の保護,③債務の免除です。経営者保証に関するガイドラインにある条件をクリアすれば、①~③の事項が可能であるということです。但し,当然のことですが,これから融資を受ける間口の問題と既存にしている保証の帰趨の問題とは性質が異なるものですから,「経営者保証がいらない融資契約」と「経営者保証している場合の債務整理」ではガイドラインの内容が異なることには留意が必要です。

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特定調停

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「1」 特定調停とは何ですか?

個人の債務を整理するための手続きとしては,破産,個人再生,任意整理,特定調停の各手続があります。
その内,特定調停とは,支払不能に陥るおそれのある債務者について,金銭債権を有する債権者との間で,金銭債務の内容の変更,担保関係の変更その他の金銭債務に係る利害関係を調整する調停手続をいいます。

「2」 特定調停のメリットにはどのようなものがありますか?

① 申立てにより,業者からの取り立てが止まります。
② 取引履歴の開示を受けることができます。
③ 民事執行手続きを停止するよう申立てをすることができます。

「3」 特定調停のデメリットにはどのようなものがありますか?

① 過払金が発生している場合,過払金の請求は別の手続きによるのが一般的です。
② 調停が成立しなければ,別途法的手続を検討することになります。

「4」 特定調停と民事再生ではどのような違いがありますか?

民事再生も特定調停も,債務を弁済しつつ債務者の経済的再生を図る点で共通しますが,個人再生が全ての債権者を対象とするのに対し,特定調停は一定の債権者のみを対象とすることができる点で異なります。
また,民事再生では,個別執行が禁止されますが,特定調停では当然には個別執行は禁止されません。

「5」 特定調停は,どのような人が申立てをすることができますか?

金銭債務を負っている者であって,①支払不能に陥るおそれのあるもの,②事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの,③債務超過に陥るおそれのある法人,が申立てをすることができます。①・②は個人・法人ともに申立てをすることができますが,③は法人のみです。

「6」 全ての債権者を相手方として申立てをしなければなりませんか?

全ての債権者を相手方とすることも,一部の債権者を相手方とすることもできます。

「7」 特定調停は,どの裁判所に申立てをしますか?

原則として,相手方の住所,居所,営業所若しくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所,又は当事者が合意する地方裁判所又は簡易裁判所に申立てをします。
但し,上記の管轄以外に申立てをした場合であっても,事件を処理するために適当であると裁判所が認めるときは,事件を他の裁判所に移送したり,自ら処理することができます。

「8」 特定調停を申立てするには,どのような書類が必要ですか?

申立人は,①申立書,②財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料,③相手方一覧表を提出する必要があります。
その他,申立人が事業者である場合には,④債権者との交渉の経緯及び申立人の希望する調停条項の概要を明らかにする必要があり,法人の場合は労働組合もしくは従業員の過半数を代表する者の名前を明らかにする必要があります。

「9」 裁判所では,どのようなことが行われますか?

調停委員が,申立人から,生活や事業の状況,これからの返済方法などについて聴いた上で,債権者の考えを聴いて,残っている債務をどのように支払っていくことが,公正かつ妥当で,経済的に合理的なのかについて,双方の意見を調整していきます。

「10」 特定調停は,どのようにして成立しますか?

当事者間の任意の合意により調停が成立します。
一方当事者が期日に出頭困難な場合には,書面による受託により調停が成立します。

「11」 特定調停は,当事者間の合意以外に解決に至る場合がありますか?

調停が成立する見込みがないが,相当であると裁判所が認めるときは,裁判所は,当事者双方のために衡平に考慮し,一切の事情をみて,職権で,当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で,事件のために必要な決定をすることがあります(民事調停法第17条)。但し,この決定に対して当事者は,決定の告知を受けた日から2週間以内に異議の申立てをすることができ,その場合は,この決定の効力を失います。異議の申立てがないときは,この決定は裁判上の和解と同一の効力を有します(民事調停法第18条)。

「12」 特定調停の効力にはどのようなものがありますか?

調停が成立したときに作成された調停調書は,裁判上の和解と同一の効力を有します。
なお,調停が成立しなかった場合,調停が終了したときから2週間以内に債権者が訴えを提起した場合には,調停申立て時に訴えが提起あったものとみなされます。

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過払金請求

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「1」 過払金とは何ですか?

過払金とは,貸金業者に払い過ぎた金銭のことを言います。払い過ぎた金銭は返す必要のない金銭として返還請求をすることができます。

「2」 過払金は,なぜ発生するのですか?

貸金の利息は,利息制限法によると,貸金の利息は,以下のように定められ,これを超えた利息の支払いは無効とされています(同法1条)。
元本の額が10万円未満の場合        年20%
元本の額が10万円以上100万円未満の場合 年18%
元本の額が100万円以上の場合       年15%
よって,貸金業者は上記利息制限法の法定利率(年15~20%)の範囲内で貸付をしなければならないのですが,現実には,貸金業者は法定利率を大きく超える利率(約定利率)で貸付を行っていたため,過払金が発生したのです。

「3」 銀行からの借入でも過払になりますか?

銀行(信用金庫,信用組合,労働金庫等も同じです)は,利息制限法の上限利率(制限利率)の範囲内で貸付をしていますので,過払金にはなりません。過払金が発生している可能性があるのは,消費者金融やクレジットカード会社等の貸金業者です。

「4」 何故,貸金業者は法定利率を超える利率で貸付をすることができたのですか?

法定利率を規制する法律には,利息制限法の他に出資法(正式名は,「出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律」)がありました。
出資法によると,貸金業者の場合,約定利率が以下の利率を超えた場合に刑事罰を定めて規制をしていました。

昭和58年10月30日以前  年109.5%
昭和58年11月1日~    年73%
昭和61年11月1日~    年54.75%
平成3年11月1日~     年40.004%
平成12年6月1日~     年29.2%
(平成22年6月18日~   年20%)
 
他方,利息制限法では刑事罰による規制を科していませんでした。
そのため,多くの貸金業者は,利息制限法の法定利率(年15~20%)と出資法の上記制限利率の範囲内(このことを一般的に「グレーゾーン」と呼ばれています)で貸付をしていました。

また,旧貸金業法では,一定の要件を満たした場合に,借主が任意に支払った法定利率を超える利息の支払いを有効なものとみなす規定(みなし弁済)が設けられていました。そこで,多くの貸金業者は,このみなし弁済の規定を理由として,超過利息の支払いを有効なものとみなし,過払金が発生しないものとして貸付・弁済の受領を続けていたのです。

「5」 みなし弁済の規定により過払金を請求することができなくなるのですか?

みなし弁済規定が適用される要件は,以下のとおりです。
①貸金業者に対する利息・損害金の支払いであること
②貸金業法17条所定の契約書面・18条所定の受取書面(領収証)が交付されていること
③任意に支払ったこと
この「みなし弁済規定」適用の可否について,最高裁平成18年1月13日判決(シティズ判決)は,期限の利益喪失特約(借主が約束どおりに元本等の支払いを怠った場合は,貸主が借主に対して残りの債務全額を一括で支払うよう請求することができる旨の特約)がある場合は,③の要件である「任意に支払ったこと」の要件を欠くと判断しました。
そして,この判決以前は,ほぼ例外なく契約書で期限の利益喪失特約が定められていたので,みなし弁済が適用されることは皆無となり,結果,超過利息の支払いは無効であり過払金として返還請求できることが確定的となりました。

「6」 過払金が発生するための期間,過払金の金額はどのようなものですか?

一概には言えませんが,当事務所の経験では,制限超過利息を支払っている期間が5年~7年であれば過払金が発生している可能性が高いです。
金額も一概には言えませんが,借りた金額が多額,利息が高利,取引の期間が長期,であれば過払金も多額になる傾向です。

「7」 過払金返還請求はいつまでできますか?

過払金返還請求の消滅時効が,最後の取引,即ち,最後に借入・返済をした日から10年なので,最後に借入・返済をした日から10年を経過していなければ過払金を取り戻せる可能性があります。

「8」 過払金返還請求の手続きはどのようなものですか?

過払金が発生しているかどうか,発生していたとして,その額はいくらであるかを確認するためには,貸金業者との間の取引履歴(借入日・返済日,借入金額・返済金額)を再現する必要があります。
しかし,借主自身が,取引履歴を再現するための資料(契約書,ATM伝票等)を全て保管していることは極めて稀です。そこで,まず,貸金業者に対して,取引履歴の開示を求めます。

取引履歴の開示を受けた後,利息制限法で引き直し計算をして,示談交渉あるいは訴訟を提起することによって,過払金の返還を請求します。

「9」 引直計算とはどのようなものですか?

契約上の利息(約定利息)を利息制限法の上限利息(法定利息)で再計算をし,法定利息を超過した利息を元本に充当することで,元本を減少させる計算方法です。計算式は複雑で,多数回の取引について計算しなければならないことから,過払金を計算するソフトを使用します。

「10」 借金を返済中でも過払金になることはありますか?

現在,借金の返済の継続中であっても,引直計算の結果,元本が完済されていて過払金が発生していたことを多く経験していますので,まずは弁護士に相談されてみてはどうでしょうか。

「11」 過払金に利息は付きますか?

判例によると,みなし弁済の適用が認められない場合には,貸金業者は悪意の受益者と推定されると判断されており,ほぼ全ての貸金業者は悪意の受益者であるから,過払利息が発生すると考えられます。
なお,判例によると,過払利息は年5%であり,過払金発生の時から利息は発生するものとされています。

「12」 取引に空白期間がある場合の過払金の計算はどのようになりますか?

空白前の取引を「第1取引」,空白後の取引を「第2取引」といい,第1取引と第2取引を併せて引直計算する場合を「一連計算」,個別に計算する場合を「個別計算」といいます。
取引期間が長ければ過払金も大きくなる傾向なので,一連計算のほうが過払金も大きくなります。特に,第1取引終了後10年を経過していて個別計算によらざるを得ない場合には,第1取引で発生した過払金が時効消滅して第2取引による過払金のみ(場合によっては借金が残る場合もあります)を請求しうることになります。
よって,「一連計算」と「個別計算」のどちらで計算するかは,過払金の額に大きく影響しますが,現在,空白期間が1年あると一連計算を認めない裁判例が多いとの傾向です。

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個人再生

※ 回答の詳細は質問をクリック(ないしタップ)ください。

「1」 個人再生とは何ですか?

個人の債務を整理するための手続きとしては,破産,個人再生,任意整理,特定調停の各手続があります。
その内,個人再生とは,借金を減額して,その減額した額を原則3年間で分割して支払うことが出来れば,残りの借金は免除される手続きをいいます。
個人再生手続きには,「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」とがあります。

「2」 個人再生の特徴・メリットとはどのようなものですか?

個人再生と破産は,裁判所が関与する手続きという点で共通ですが,以下の点で大きな違いがあります。
・誤解を恐れず言ってしまえば,破産は借金が0となりますが,個人再生は借金の一部を支払わなければなりません。
・破産は原則財産を全て処分されますが,個人再生は財産を処分する必要はありません。
・破産の場合,一定の期間,生命保険外交員や警備員などの職業に就けなくなりますが(資格制限),個人再生の場合はそのような制限はありません。
このような違いから,個人再生は,破産の場合の資格制限に該当する職業に就いている方や,処分されたくない財産を保有されている方にメリットのある手続と言えます。特に,住宅ローン付の住宅を手放したくない場合にはきわめて有効な手続です。

「3」 どこの裁判所に申立てをすればいいのですか?

生活の本拠である住所地を管轄する地方裁判所に申立てをします。単身赴任等の理由により住民票上の住所と生活の本拠地が異なっている場合,生活の本拠地で申立てをすることができます。

「4」 申立ての実費にはどのようなものがありますか?

申立手数料,予納郵券,官報公告費用として2~3万円が必要となります。また,事務処理に必要な郵便代・各種書類取寄費用等が必要となります。

「5」 手続の大まかな流れを教えてください。

①申立て→②手続開始決定→③債権者の債権届出→④申立人の異議申述→⑤再生計画案提出→⑥書面による決議又は意見聴取→⑦再生計画の認可決定→⑧官報公告掲載の流れで進みます。官報に掲載された日の翌日から2週間経過後,認可決定が確定します。

「6」 最終的に手続きが終わるまでどれくらいの時間がかかりますか?

受任をしてから,認可決定が確定するまで,7~8か月かかります。なお,事案によって期間は伸長します。

「7」 元金の他,利息を含めると5000万円以上の借金とその他,3000万円ほどの住宅ローンを抱えています。この場合に個人再生手続きを利用することができますか?

まずは利息について引き直し計算を確認する必要があるでしょう。それで5000万円を超えない場合には利用することができますが,それでも5000万円を超える場合には,個人再生を利用することはできません。この場合,通常の民事再生手続の利用が考えられますが,個人再生と比較して,予納金が高額であること,手続が複雑であること,要件が厳格であることなどの理由から利用は困難です。

「8」 個人再生を利用するための要件にはどのようなものがありますか?

小規模個人再生の要件としては
①将来において継続的又は反復的な収入の見込みがあること
②住宅ローンを除いた総債務額が5000万円を超えないこと
給与所得者等再生の要件としては,上記①②に加え
③給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがあり,かつ,その変動の幅が小さいと見込まれること
④過去に破産手続等の免責許可決定を受けている場合,免責決定が確定してから7年を経過していること
⑤過去に給与所得者等再生手続が認可された場合,認可決定が確定してから7年を経過していること
が必要となります。

「9」 私はまもなく定年なのですが,個人再生を利用することができますか?

間もなく定年になるとしても,年金受給,再雇用,再就職などで,「将来において継続的又は反復的な収入の見込みがある」といえれば,個人再生を利用することができます。

「10」 個人事業主ですが,個人再生を利用することができる場合がありますか?

個人事業主も「将来において継続的又は反復的な収入の見込みがある」といえれば小規模個人再生を利用することができます。また,「給与」は給与所得者の給与に限られませんので,定期的な収入を得る見込みがあり,かつ,その変動の幅が小さいと見込まれれば,給与所得者等再生も利用することができます。

「11」 年金受給者や所得がアルバイト収入である場合も個人再生を利用することができますか?

年金が老齢年金や退職共済年金の場合には,継続的な収入を得る見込みがあるといえるので,利用することができます。アルバイトの場合も,雇用実績が短期間ではなく,雇用が相当期間継続している実績がある場合には利用することができます。

「12」 専業主婦・主夫でも個人再生を利用することができますか?

将来において無収入の場合は,「継続的に又は反復して収入を得る見込み」が無いので利用することはできません。しかし,就職の内定を得ている場合など,将来において「継続的に又は反復して収入を得る見込み」があると言える場合には,利用することができる可能性があります。

「13」 勤務先や親友からの借入など,一部の債権者を除外して個人再生を利用することができますか?

除外することはできません。除外したことで再生計画が不認可とされる危険があります。

「14」 借金の原因がギャンブルですが,個人再生を利用することができますか?

破産では免責不許可事由「浪費・賭博・その他の射幸行為」に該当しますが,個人再生の再生計画不認可の理由に当然にはなりません。利用することが可能です。

「15」 個人再生では,いくら払えば残りの債務が免除されますか?(最低弁済額)

小規模個人再生では以下の①②,給与所得者等再生では以下の①②③によりそれぞれ算出される金額の最も多い金額を支払わなければなりません。
①負債総額からの算出する金額
 住宅ローンを除く債務の総額が
 100万円未満          総額全部
 100万円以上500万円以下    100万円
 500万円を超え1500万円以下   総額の1/5
 1500万円を超え3000万円以下  300万円
 3000万円を超え5000万円以下  総額の1/10
②財産(清算価値)から算出する金額
 破産をしたら換価される財産の価額
③収入(法定可処分所得額)から算出する金額
 収入から所得税・住民税・社会保険料を控除し,さらに政令で定められた生活費を差し引いた金額の2年分
よって,収入の多い方については③の基準により支払額が多くなる場合もあり,その場合は小規模個人再生を申し立てることが考えられます。

「16」 税金を滞納していますが,税金も個人再生によって減額することができますか?

税金など公租公課は一般優先債権とされ,再生手続によらないで随時弁済しなければならず,減額することもできません。

「17」 離婚後,養育費を払っていますが,個人再生の手続きの中で,養育費はどのように扱われますか?

再生手続開始決定前に発生した未払の養育費は,再生計画によって権利の内容を変更することができません。よって,減額することはできません。
また,再生手続開始決定後に発生する養育費は,共益債権として随時弁済することができ,債権者一覧表に掲げる必要もありません。

「18」 契約をしている生命保険から契約者貸付を受けています。この貸付は,個人再生の手続きの中でどのように扱われますか?

契約者貸付は,解約返戻金の前払いと考えられていますので,債権者一覧表に記載する必要はありません。
解約返戻金見込額から借入額を控除した残額が清算価値の対象となる財産となります。

「19」 個人再生の手続きの中で,退職金はどのように扱われますか?

再生計画認可時に退職していない場合は,仮に退職したらいくらになるかという退職金見込額の8分の1が清算価値算定の対象となります。
他方,再生計画認可時に既に退職金を受領していた場合は,現金ないし預貯金の形になっているので,現金・預貯金など(破産事件であれば自由財産の範囲拡張の対象となる財産)と併せて99万円を超えるものは全て清算価値の対象となります(広島地方裁判所の場合)。

「20」 所有権留保付きの自動車は,個人再生の手続きの中でどのように扱われますか?

留保所有権を有する債権者から,車の返還請求をされることが通常です。
その債権者が,自動車の場合は登録,軽自動車の場合は引渡しを受けていれば,対抗要件を具備しているものとして,返還請求を拒絶することは困難です。

「21」 個人再生手続の再生計画ではその弁済期間は原則3年とされると聞きましたが,それ以上の期間の返済計画で認められる余地はないのですか?

3年を超えることの特別の事情が認められれば5年を超えない範囲において許される場合があります。実際の実務においてもしばしば5年の範囲において認められています。

「22」 住宅資金特別条項を利用しての個人再生により残すことのできる「住宅」とはどのようなものですか?

本人が所有し,本人が居住していることが必要です。
よって,専ら事業の用に供している場合や専ら他人の居住の用に供している場合は,個人再生手続きの住宅ローン特例によって残すことは困難です。

「23」 二世帯住宅として利用をしている場合には住宅資金特別条項を利用できますか?

可能です。ただし,当該建物の床面積の2分の1以上を専ら自己の居住用に利用していることが必要です。

「24」 住宅が配偶者と共有名義になっている場合も,個人再生によって住宅を残すことができますか?

共有名義の場合でも住宅資金特別条項を利用することができ,住宅を残すことができます。

「25」 住宅資金特別条項を利用しての個人再生申立てをする前に当該住宅に対して差押えがされている場合には住宅資金特別条項を利用が可能ですか?また,それが税の滞納によるものである場合にはどうですか?

前段の単なる差押えの場合には利用が可能です。最終的に再生計画の認可決定がでることで,差押えの手続きの効力がなくなるからです。他方,後段の税の滞納である場合には利用できないと考えるべきでしょう。税の滞納の場合には原則,そのまま換価手続きに進んでいくことで再生債務者が住宅の所有権等を失う可能性が高いからです。

「26」 住宅に当該住宅ローン以外の債務を担保するために後順位の抵当権が設定されている場合には住宅資金特別条項を利用が可能ですか?

条文上,できません。

「27」 住宅ローン以外の債務について延滞をし,住宅ローンについても延滞をしてしまっている場合,住宅資金特別条項によって当該住宅ローンを弁済することができますか?

期限の利益を喪失したと言えない場合には弁済することができますが,期限の利益を喪失したとされる場合には原則として弁済することができません。しかし,後者の場合にも債権者と交渉することで期限の利益が再度付与される場合には可能ですので迅速な対応が望まれるところです。

「28」 住宅ローンの債務について,保証会社による代位弁済がなされている場合,住宅資金特別条項付個人再生を利用することができますか?

代位弁済から6か月を経過する日までに再生手続開始の申立てをする必要があります。
その後,住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定した場合,保証債務の履行はなかったものとみなされるので,住宅ローンの支払いは元々の債権者に対してすることになります。

「29」 小規模個人再生と給与所得者等個人再生の違いについて教えてください。

①要件との関係で,小規模個人再生はできるが給与所得者等個人再生はできない場合があること,②給与所得者等個人再生の場合は最低弁済額が小規模個人再生の場合よりも多額になる可能性があること,③小規模個人再生の場合は,債権者の反対によって返済計画である再生計画案が否決される可能性があること,などが大きな違いです。

「30」 個人再生の場合には債権者から反対されることで手続きが頓挫しませんか?

小規模個人再生では,返済計画である再生計画が裁判所によって認可されるためには,債権者数の半数以上の反対がなく,かつ,反対をした債権者の債権額総数が2分の1を超えないことが必要となります。よって,同手続きでは債権者の反対により頓挫することがありえます。しかし,給与所得者等再生では,このような要件は必要ではありません。
よって,個人再生手続に反対をする債権者が多いと予想される場合や,2分の1以上の債権を有する債権者が反対をすると予想される場合は,給与所得者等再生を申し立てることを検討することになります。

「31」 給与が差し押さえられていますが,これを止めることができますか?

①申立後,再生手続開始決定前,②再生手続開始決定後,再生計画認可決定確定前,③再生計画認可決定確定後の各段階に応じて取りうる手段・効果が異なります。

① 申立後,再生手続開始決定前
 差押をしている再生債権者に「不当な損害」を及ぼすおそれが無い場合に限り,裁判所に対して執行手続を中止するよう申立てをすることができます。
② 再生手続開始決定後,再生計画認可決定確定前
 申立て後,再生手続開始決定がなされた場合,再生手続開始決定正本を添付した強制執行手続中止の上申書を執行裁判所に提出すると,給与差押など強制執行等の手続は中止します。
③ 再生計画認可決定確定後
 再生計画認可の決定が確定した場合,認可決定正本・認可決定確定証明書を添付した強制執行失効の上申書を執行裁判所に提出すると,強制執行等は失効します。

「32」 友人に対する債務のみ弁済をしたのですが,個人再生を利用することができますか?

特定の債権者に対する債務弁済行為や財産を廉価で売却する行為など,破産手続における否認対象行為でありますが,破産手続ではありませんから,否認権の行使によって否認対象行為が取り消されることはありません。
しかし,「不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき」「申立てが誠実にされたものでないとき」といった当該偏波弁済行為が悪質と評価され,それに伴い個人再生の申立てとされる場合には,申立てが棄却されることがあります。
なお,棄却されなかった場合でも,当該否認対象行為によって減少した額を民事再生手続きの中で上乗せして弁済する必要があるでしょう。

「33」 自分の収入だけでは,個人再生に基づく弁済を履行することが困難ですが,配偶者の収入を併せて考えれば,履行することが可能です。この場合も個人再生を利用することができますか?

同居で家計が同一の親族については,その収入を含めた家計全体から履行可能性を判断されるので,個人再生を利用することができます。
他方,家計が別の親族の収入については,その収入が継続的なものであり,収入の一定額を再生債務者の家計に組み入れることが継続的に可能であれば,利用できる可能性もあります。

「34」 再生手続中に親が死亡しました。遺産を取得しないで手続きを進めることができますか?

通常,被相続人が亡くなってから3か月以内であれば,相続放棄により遺産を取得することなく,手続を進めることができます。
他方,自らの取得分をゼロとする遺産分割協議の場合には,その協議が否認対象行為とされ,その協議によって減少した額を清算価値に加えなければならない可能性があります。

「35」 借金の中に,保証人が付いている債務があります。個人再生の手続きは,保証人にどのような影響を及ぼしますか?

再生計画は,債権者が保証人に対して有している権利に影響を及ぼさないのが原則です。よって,主債務者に支払停止などがあれば,債権者は保証人に対して請求をするのが通常です。

※ お気軽にご連絡ください。

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