損害賠償(遺産着服の場合)

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「1」 相続人の一人が被相続人名義の預貯金を使い込み・横領しているみたいなのですが,遺産を使い込んだ相続人に対して返還を求めることはできますか?

できる場合があります。
被相続人の遺産である預貯金の使い込みは,不当利得返還請求あるいは損害賠償請求という形で返還を求めることが考えられます。

「2」 使い込み・横領された金額全ての返還を求めることはできますか?

返還を求める方の相続人の法定相続分相当の金額について返還を求めることができます。

「3」 使い込み・横領をした相続人に対して,その返還を求める方法にはどのようなものがありますか?

返還を求める方法としては,①示談交渉(話し合い),③民事調停,③損害賠償・不当利得返還請求訴訟などが考えられます。
なお,家庭裁判所での遺産分割調停においても,これを調停内で扱うことに当事者全員の合意があれば,遺産の使い込み・横領を争点として扱ってもらうことはできますが,相続人間で協議がつかない場合には,使い込み・横領の部分を除いて,遺産分割の調停・審判の手続きを進めることになります。

「4」 使い込み・横領をした相続人に対して,返還請求をするにあたって準備すべきことは何ですか?

①使いこみ・横領をした人の特定,②使い込まれた金額の確定に必要な資料が必要となります。
使いこみ・横領をしたと思われる相続人と預貯金の不正な引き出しを行った人物が同一人物であることを確認する必要があります。
引き出しが行われている金融機関の店舗・ATMの場所と使いこみ・横領をしたと思われる相続人の住所や職場と距離的に矛盾しないか等を検討します。
また,金融機関から被相続人名義の口座の取引履歴を取得してください。
取引履歴を取得出来たら,引き出し金額を日付ごとにピックアップし,遺産の使いこみ・横領とそうではない正当な支出・経費を区別していきます。
被相続人自らが出金した,被相続人が引き出しを同意した,被相続人の介護費用に充てたなどの反論が考えられますので,引き出し当時の被相続人の意思能力の問題,生活状況などを検討することが重要となります。

「5」 不当利得返還請求や不法行為に基づく損害賠償請求をするのに時効がありますか?

損害賠償請求と不当利得返還請求では,請求できる期間(時効)等が異なります。不法行為に基づく損害賠償請求は,引き出しによる損害及び加害者を知ったときから3年間しか請求ができません。
不当利得返還請求の場合は,引き出しの日から10年間返還請求ができます。

「6」 貴事務所では相続人による相続財産の使いこみ・横領に対する損害賠償請求などを扱ったことがありますか?

はい。当事務所でも,これまでに遺産の使い込み・横領に関する返還請求にあたっての示談交渉,裁判を取り扱ってきました。

※遺産分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲に関する改正について(施行は2019年7月1日)
・従前,共同相続人の一人が遺産の共有持分を処分した場合,その後の遺産分割においてどのように処理すべきかについて明文の規定はありませんでした。
 このような場合,共同相続人全員の同意を得ることで処分された財産が遺産として存在するものとみなすというのが裁判所の運用でしたが,今回の改正でこの運用を明文化されました(民法906条の2)。但し,処分をした相続人については,同意を得る必要はありません(同条第2項)。

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