相続分の譲渡

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「1」 相続分の譲渡とはなんですか?

消極財産を含む相続財産全体に対する割合的な持分(相続分)を譲渡することです。
例えば,相続人が配偶者と子2人(A・B)の場合,相続分は配偶者が1/2,Aが1/4,Bが1/4ですが,配偶者が相続分全部をAに譲渡した場合の相続分は,配偶者が0,Aが3/4,Bが1/4となります。

「2」 どのような場合に相続分の譲渡がなされますか?

共同相続人が非常に多数な場合,居住地が遠方でバラバラの場合等,共同相続人の意思を確認して協議を進めるには,手間も時間も非常にかかります。そのような場合に,事件処理整理の観点から,共同相続人間で中心的な役割を果たしていた人に相続分の譲渡をすると,相続手続が簡略化して円滑に行うことができます。
相続分を譲渡した当事者間では,相続分譲渡時や遺産分割完了後に,相続分譲渡の対価を譲受人から譲渡人が得るなどの方法で,経済的な補填をすることもできます。

「3」 相続分の譲渡がなされる場合として,他にありますか?

遺産分割に関わることや相続財産の取得を欲しない相続人に対しては,相続分の譲渡をしていただき,相続関係から離脱していただくことができます。

「4」 共同相続人ではない第三者に譲渡することもできますか?

誰に相続分を譲渡するか譲渡人の意思で決定することができ,共同相続人は勿論,共同相続人ではない第三者に対しても譲渡をすることができます。
なお,相続手続の円滑化,相続手続からの離脱という観点から,相続分の譲渡は共同相続人間でなされることが多いです。

「5」 相続分の譲渡をするのに,決まった方式などありますか?

特段の方式は必要とされておらず,口頭あるいは書面のいずれによっても譲渡は成立します。
但し,実務上は,「相続分譲渡証書」を譲渡人と譲受人で作成するのが通常です。

「6」 相続分の譲渡はいつできますか,また,いつまでできますか?

相続分の譲渡は,相続開始後遺産分割完了まですることができ,相続放棄のような3か月以内という期間制限もありません。

「7」 相続分の譲渡をした後,別の相続人に二重に譲渡した場合はどのようになりますか?

先になされた相続分の譲渡が有効とされる以上は,後になされた相続分の譲渡は無効と考えられます。

「8」 相続分の譲渡をすると,相続債務の負担を免れることができるのですか?

できません。
債権者との関係では,譲渡人と譲受人が併存的に債務を負担すると解するのが多数説となっていて,相続債務の負担を免れることはできないと考えられます。
相続に関してプラス・マイナスの財産全て放棄することである相続放棄をすることになります。

「9」 相続分の譲渡が相続人でない第三者になされました。その第三者を遺産分割協議に関わって欲しくないのですが,何か手段がありますか?

譲渡人以外の共同相続人は,譲渡から1か月以内であれば,価額及び費用を償還して相続分を取り戻すことができます(民法第905条)。

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