不動産に関する分野

借地・借家

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「1」 借地・借家いずれにしても期間満了すれば当然,契約は終了するのですか?

当然に終了するものではありません。

「2」 立退料さえ支払えば終了しますか?

借地借家法の要件を満たし,更新拒絶,解約申入れなどについて正当事由が備わっていなければ認められません。正当事由が備わっているかの判断の一要素として立退料が検討されることになります。

「3」 正当事由≒立退料ということではないのですか?

異なります。正当事由は借地,借家いずれにしても,借地権者,借地権設定者ないし借家権者,借家権設定者などの使用の必要性,借地ないし借家に関する従前の経緯,借地にあっては土地の利用状況,借家にあっては建物の利用状況及び建物の現況,土地の明け渡し,ないし建物の明渡しと引換えに申し出た財産上の給付などを勘案して判断されるものです。立退料はここでいう財産上の給付の要素に該当し,立退料は正当事由の判断における従たる判断要素というべきものです。

「4」 正当事由の判断要素の中で最も重視される要素はどのようなものですか?

借地権者,借地権設定者ないし借家権者,借家権設定者などの使用の必要性です。

「5」 更新拒絶,解約申入れはどのような方式でするものなのですか?

明確にすべきことから,内容証明郵便などで行われるべきです。

「6」 建物の賃料について1カ月の滞納があれば即座に契約を解除することができますか?

困難です。賃貸借契約のような継続的契約の場合には判例上確率されている「信頼関係破壊の法理」が適用されることから,信頼関係が破壊されたと評価される義務の不履行が必要とされます。但し,一般論ではありますが,少なくとも3カ月程度の不払いがあれば解除が認められる余地があると言えます。

「7」 アパートの近隣住民複数人からある賃借人の騒音についてクレームがあります。この賃借人との契約を解除することができますか?

その騒音が受忍限度を超えると言える場合に,騒音をすることの中止の警告にもかかわらず,殊更に無視をするような場合には,信頼関係が破壊されたものとして解除が許される余地があります。

「8」 建物賃貸借契約の解除できれば,建物内に入り,賃借人に了解を得ることなく荷物を持ち出して良いですか?

無断で立ち入り荷物を持ち出す行為は,住居侵入,窃盗に問われる危険があるますので,絶対に避けるべきです。許されるとしても,ガス漏れ,水漏れなど直ちに措置を対策を取らなければ重大な損害が生じかねない場合に必要かつ相当な範囲において立ち入りなどが認められるに過ぎません。

「9」 部屋の賃借人が自殺をしてしまいました。この場合,相続人に対して損害賠償をすることができますか?また,可能であるとしていかなる理由の請求をすることができるのでしょうか?

自殺をされた方の遺族からすれば,さらなる負担を強いるものでありますが,結論として賠償請求は可能です。内容としては,自殺が原因で賃貸不能期間の賃料,賃料減額期間の差額などです。なお,賃貸物件が共同住宅の場合,自殺の現場の部屋以外の部屋については請求が認められない傾向にあると言えます。

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マンション

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「1」 マンションを購入する際の広告チラシを見る際に,注意するべき点はありますか?

間取り図,外観の写真などに注意が行きがちでありますが,専有面積の広さによって住宅ローン減税の適用条件が異なります。適用条件として40平方メートル以上のものであることを要します。また,この面積の測定が専有部分の壁の内側から計測されるものであることにも注意を要します。
他方,マンションの購入価格は言うまでもありませんが,毎月の管理費や修繕積立金の額について注意を要しますが,逆に修繕積立金が低いと後に多額の負担を要することがあることについても注意を要します。

「2」 自分の分譲マンションを賃貸に出そうと考えていますが,留意点は何ですか?

区分所有法の適用ある分譲マンションについては,建物またはその敷地もしくは附属施設の使用または管理に関する事項について管理組合が規約を定めることができるとされています。具体的にこの規約において専有部分の改造の制限や,共用部分を使用する際の迷惑行為の禁止,ペットの飼育の禁止・制限などを定めることが想定されますが,賃貸人としては,賃借人に対し,これらを遵守する義務あること,及びそれが履践されない場合には契約の解除がありうることを確認するべきと言えます。
また,将来において自分が当該マンションに居住することが見込まれる場合には,定期建物賃貸借契約を選択肢として検討することも必要でしょう。なお,定期建物賃貸借契約については,①定期期間を定め,②公正証書等の書面をもって契約をし,③当該賃貸借契約に更新がなく,その旨を記載した書面を交付して説明をすることが必須です。勿論,④契約の更新が無いことを定める必要があります。

「3」 自分が所有をしているマンションの一室を今流行りの民泊として提供したいのですが問題点を教えてください。

民泊とは,住宅の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供することを言います。 旅館業法の許可を要しないことを想定し,住宅宿泊事業法(民泊法)が制定され,国家戦略特区と指定された自治体において制定される民泊条例によるものも旅館業法の許可を要しません。要件を満たす場合,前者については届出をし,後者については許可を得て活動をすることができます。
民泊法においては,ホテルや旅館が営業することのできない住居専用地域などで営業することも可能ですが,各自治体の条例で住宅宿泊事業の営業が出来る地域や期間を規制している場合がありますので,確認を要します。また,同法においては年間営業日数の上限があり,180日を超した営業は出来ません。さらに,管理組合において民泊を禁止している場合にはそれに従う必要があり,マンション管理規約については要確認です。

「4」 中古マンションの一室を所有しております。自分の部屋の床材を全面的にフローリングに張り替える予定なのですが,これは自分の判断だけでできるものなのでしょうか?

法自体に定めはないもののこの種の事項について多くの管理規約で定められていることが見込まれます。ここでは,国土交通省が作成したマンション管理規約のモデルであるマンション標準管理規約(単棟型)を前提にするならば,管理組合の承認が必要とされます。

「5」 自分の階上の住人の子供が夜通し飛んだり跳ねたりするので眠れなくなり,精神科に通院するようなりました。なんらかの対応ができないのでしょうか?

受忍限度を超えるとされる場合には不法行為に基づく損害賠償請求が認められる可能性があり,また,人格権や部屋の所有権に基づく妨害排除請求として騒音の差止めを請求することができる余地もあるでしょう。さらに,階上階下の当事者間に限らず,マンション全体の騒音問題となりうる場合には区分所有法に基づき「共同の利益に反する行為」として,差止めが認められる場合があります。

「6」 区分所有法,管理規約,総会決議に違反している者に対して,管理組合はどのような措置をとることができるのですか?

まず,区分所有法上は,①行為の停止請求等(行為の停止・行為の結果の除去・行為を予防するために必要な措置),②使用禁止の請求,③競売請求,④占有者に対する引渡請求等,をすることができます。
②から④の請求については,常に裁判によらなければならず,区分所有者および議決権の3/4以上の多数の賛成が必要です。また,②③の相手方たる区分所有者,④のそれの占有者に対しては弁明の機会を与える必要があります。
区分所有法上の措置は「共同の利益に反する」ことがその要件とされているものですが,「共同の利益に反する」とまで言えない場合でも,管理規約や集会決議に違反している場合の対抗措置を管理規約において定められている場合には,これに基づく措置を取ることは可能です。ただ,法を潜脱することになるもの,例えば,先に述べた④の法上の請求について賛成の割合を1/2とすることは認めらません。なお,仮に管理規約において定められていない場合であったとしても,裁判の実際では,規約違反は共同の利益に反する認定ができる場合があると思われます。

「7」 新築マンションを購入した者ですが,雨水が壁の内部にしみ込んでいることが判明しました。この場合,誰にどのような請求をすることができるのでしょうか。

まず,契約不適合責任に基づく請求が考えられます。改正前は瑕疵担保責任と言われていましたが,現在の契約不適合責任(2020年4月施行)に基づき,請求をすることになります。ここでの契約不適合とは、「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない」ことをいい,契約不適合責任においては、改正前の瑕疵担保責任おける「瑕疵」や「隠れた」という概念は消滅しました。
契約不適合責任の内容として、①履行の追完請求権、②代金減額請求権、③債務不履行の規定による損害賠償、④債務不履行の規定による契約解除が定められています。
契約不適合責任の存続期間は、買主が、「種類又は品質に関して」契約不適合を知った時から1年以内に契約不適合の事実を売主に通知すれば権利が保全されることになっています(この期間制限は数量不足の場合には適用がありません)。としても,一般の時効の規律に服します。
尚,契約不適合責任は当事者がこれを免除する特約も有効にすることができるとされていますが,その全部が有効とされるものではありません。ⅰ売主が契約不適合を知っていながらこれを告げずに売買契約を締結した場合のように、それが信義に反する場合は無効となります。ⅱ宅地建物取引業者が自ら売主となる場合には、当該宅地建物取引業者は、担保責任の期間を2年以上とする場合を除き、売主の担保責任の規定を民法の規定よりも買主に不利な特約とすることは無効となります。ⅲ事業者と消費者との間の契約(消費者契約)の場合に、事業者の瑕疵担保責任を全部免除するなど特約は無効とされます。
次に,売主として,住宅品質確保促進法(品確法)に基づく請求をすることを検討することになります。品確法は,民法の瑕疵担保責任の特則として,新築住宅の売買契約において,①構造耐力上主要な部分(基礎,壁,床板など),②雨水の侵入を防止する部分(屋根,外壁など)に隠れた瑕疵があるとされる場合には,損害賠償請求や契約の解除,瑕疵の修補請求をすることができます。この担保責任の除斥期間は10年とされており,この期間は短縮できないものとされています。なお,同法の請求はその請求可能な時間の長さと売主が倒産したような支払能力が無い場合にその意味が大きくなります。2008年4月に施行された特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保法)に基づき,品確法の基本構造部分の瑕疵に関して補償を受けることができることになります。
さらに,建設会社や設計者に対しても責任追及することを検討することができます。この点,当該建物において建物としての安全性が欠けることがないよう配慮すべき注意義務があることを前提に,居住者等の生命,身体又は財産を危険さらす瑕疵がある場合には不法行為責任を認める余地ある判例などがあります。

「8」 管理費を滞納する人がいます。どのように対応すればいいですか。

マンション管理組合ないしマンション管理組合が管理について業務委託をしているマンション管理会社がある程度は滞納者に支払いを促すということになりますが,それでも支払いをすることが見込めない場合には,マンション管理組合が原告となって,支払いをすることを求め裁判手続きをすることになります。

「9」 5年もの間,管理費を滞納する者に対して管理組合として訴訟を提起しようと思うのですが,支払いを請求するのみならず,その者の専有部分についての使用禁止,あるいは競売の請求をすることまでできないでしょうか。

結論として,使用禁止については困難であると思われます。他方,競売の請求については可能ではあるでしょう。但し,「区分所有者の共同生活上の障害が著しいこと,②他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であることが要件とされているところ,①の要件との間では滞納金額の大きさ,滞納期間などが勘案されることになります。②の要件とは裁判例の中には管理組合と滞納者との交渉の経緯なども問題となるものと思われます。

「10」 管理費と滞納しているマンション所有者から競売により当該マンションを取得した者に対して,その滞納分の支払を請求することができますか?他方,これを支払った取得者が前所有者に対し,支払相当分について支払うことを請求することはできますか?

いずれも可能です。

「11」 マンション内のコミュニティ活動(夏祭りなどの懇親会や防災活動など)は管理組合の仕事なのでしょうか?

法律的には仕事ではありません。ただし,大きなマンションの場合には管理組合が主体として行っていることが多いです。なお,管理組合とは区分所有者全員による管理のための団体であり,区分所有関係が成立した途端,法的には当然成立するものとされています。ここでのコミュニティと似て非なるものとして,自治会というものがありますが,これは,一定の地域に住所を有する地縁に基づいて形成されるもので加入自体が任意なものです。

「12」 マンションでペットを飼育することでトラブルが増加していると聞きます。トラブル予防としてどのような対策がありますか?

基本的に区分所有者はその専有部分を自由に使用・収益することがきるものですが,マンションの特質として,その専有部分についても壁,床,天井を隔てて生活をするものであるから,各区分所有者の共同生活の秩序を害する行為をすることは許されません。
そこで,区分所有法自体が区分所有者の共同の利益に反する行為を禁止するとともに,区分所有者の共同の利益に反する行為は管理規約で制限することを認めています。
よって,この管理規約によりペットの飼育を制限することになりますが,管理規約により基本的な部分を定め,その細則についてはその使用細則で定めることになると思われます。なお,その内容については「他人に迷惑をかける動物の飼育を禁止する。」などの曖昧な文言は避けるべきであり,できるだけ具体的なものであることが望ましいでしょう。

「13」 自分が居住しているマンションの耐震性が心配です。対応する法律はどうなっているのでしょうか。

現存する建物の耐震性については,①1971年より前に建設された「旧々耐震基準」に基づくもの,②1981年より前で1971年に改正された建築基準法施行令に基づき建設された「旧耐震基準」に基づくもの,③1981年に改正された建築基準法施行令に基づき建設された現行耐震基準によるものがあります。
そして,2013年に改正された建築物耐震改修促進法においては,①「旧々耐震基準」「旧耐震基準」に基づくもので現行の耐震基準を満たさないものについては,既存耐震不適格建築物の耐震診断を行い,必要に応じて耐震改修することの努力義務を,②「旧々耐震基準」「旧耐震基準」に基づくものであっても,現行の耐震基準を満たしている旨の申請を所管行政庁にすることができるとされています。さらに,③マンションに関しての特有のものとして,耐震改修性認定制度がります。この③の認定がされることの実益は,当該耐震改修が「共用部分の変更」であっても,区分所有法における過半数の決議によりこれが可能となるものです。なお,現在のマンションの管理規約は国土交通省が作成したマンション管理規約のモデルであるマンションの標準管理規約に基づいていますので,「共用部分の変更」は組合員の3/4以上及び,議決権総数の3/4以上で決するとされていますが,③による過半数議決を可能とする区分所有法改正法を強行法規と開始して,規約の定める決議は不要と解することが可能と思われます。

「14」 マンションの大規模修繕やマンション建替えなどは大変だとよく聞きます。どのようなものなのですか?

大規模修繕とは,給排水管の工事や外壁の修繕などの大規模な計画修繕を言います。マンションの建替えとは,区分所有者が合意した上で,旧建物を解体の上,新しい建物を建築することを言います。
そして,実は大規模修繕という概念は区分所有法にはありません。総会の決議としては通常,総会の普通決議で行われますが,大規模修繕が区分所有法17条1項の「形状又は公用を著しい変更」を伴う場合には,所有者及び議決権の3/4以上の賛成が必要となります。 決議においては工事内容,工事費,業者の選定,修繕積立金の取り崩しなどの総会で図ることになります。
他方,マンション建替えの場合は,所有者及び議決権の4/5以上の多数の賛成の決議を要するとされており,これに反対する者に対しては,建替えに参加する区分所有者及び買受け指定者は時価での売渡請求をすることができます。マンションの老朽化などが進展し,これを修繕するとなるとかなりの修繕費用が大きくなることから,そうであれば建替えという選択肢が生まれるものです。建替えについては2002年に施行されたマンションの建替えに関する円滑化等に関する法律にも留意をするべきでしょう。

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