年金分割

離婚時年金分割制度とはどのような制度ですか?

離婚後,請求期限内に合意又は裁判手続きで按分割合を定めて年金事務所等に分割請求をすることで,婚姻期間中の年金保険料の納付記録の最大2分の1までを分割する制度です。

全種類の年金について年金分割ができるのですか?

年金分割ができるのは厚生年金(下図の青く塗られた2階部分)のみです。基礎年金(下図のオレンジ色に塗られた1階部分)や企業年金などの自主年金(下図の3階部分)は分割の対象ではありません。
そのため,年金分割は,1階部分の基礎年金の額や3階部分の厚生年金基金や確定給付企業年金の給付には影響がありません。

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(厚生労働省HP・「日本の公的年金は2階建て」
(https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/structure/structure03.html)より引用)

具体的には何が分割されるのでしょうか?

年金分割の対象になるのは,厚生年金の保険料納付記録です。年金額は,年金の受給権が発生するまでの期間の標準報酬額(標準報酬月額及び標準賞与額)を基礎として計算されます。分割の対象となる保険料納付記録とは,具体的には,これまでに支払ってきた厚生年金保険料の算定の基礎となった標準報酬額のことをいいます。
夫婦のうち,この標準報酬額の多い方の標準報酬額が最大2分の1まで分割され,標準報酬額が少ない又はない方が,分割された分を受け取ることになります。
年金分割の按分割合を2分の1と定めた場合には,婚姻期間における夫婦双方の標準報酬額は同額となります。

離婚時年金分割がされることで具体的に何が変わるのでしょうか?

離婚時年金分割によって当事者双方の年金記録が書き換えられ,年金額は,各々分割後の標準報酬額に基づいて計算されます。そのため,分割した側は,分割によって標準報酬額が減額するため,それに基づいて計算された年金額が減額することになります。他方,分割を受けた側は,標準報酬額が増額するため,それに基づいて計算された年金額が増額することになります。

離婚時年金分割はどのように請求をすればいいのですか?

離婚時年金分割には2種類の分割方法があります。

①合意分割
請求期限内に夫婦の合意又は裁判手続きで年金の按分割合を定めて,年金事務所に請求すれば,分割対象期間に対応する標準報酬額の多い方の厚生年金の保険料納付記録の最大2分の1までを少ない(又はなかった)方の当事者に分割する制度です。
両当事者の合意で按分割合が定まらなかった場合には,調停や審判で定めることができます。また,離婚調停や裁判に附随して年金分割の申立てをすることもできます。
合意分割の場合,調停等の裁判手続きで按分割合が決定したとしても,当然に分割されるのではなく,その調書等を年金事務所に持って行き,年金分割の手続をする必要があるので注意してください。

②3号分割
3号分割は,平成20年4月1日以降の婚姻期間中に第3号被保険者であった期間がある場合に,年金事務所等に年金分割の請求をすれば,その期間に対応する厚生年金に加入していた当事者の厚生年金の保険料納付記録の2分の1が,合意や裁判がなくとも第3号被保険者であった当事者に分割される制度です。
3号分割の場合,単独で年金事務所等に年金分割の請求手続きを行うことが出来ます。

離婚時年金分割はいつまで請求できますか?

原則,離婚成立時から2年以内です。この期限を過ぎると分割の請求が出来なくなるので注意してください。
しかし,離婚成立後2年以内に年金分割の調停又は審判を申し立てたが,手続中に離婚成立から2年が経過した場合(あるいは調停成立又は審判確定時点で2年以内の期限まで1か月を切った場合)には,調停成立又は審判確定後1か月以内に,年金事務所等への請求をすればよいことになっています。
  
事実婚が解消される場合にも年金分割制度を使えますか?

原則認められていません。しかし,一定の場合に限り,厚生労働省令等が特別の定めを設け,合意分割制度による年金分割を認めています。
被扶養配偶者として国民年金の第3号被保険者であった期間については,第3号被保険者としての資格が喪失し,かつ,その事実婚関係が解消した場合(婚姻届提出による事実婚の解消は除きます。)には合意分割の対象になることが認められています。

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